オールジャパンの体制作りに向け、大震災で高まってきた新たな機運がある。経済社会のプレーヤーとしての個人の意識の変化だ。キーワードは連帯である。
自分の責任で自分自身でする自助、回りや地域が協力する共助、公的な機関が支援する共助―この3助のうち、今回、共助の精神がいかんなく発揮された。困った時にはお互い助け合い、困難を乗り切ろうとする連帯の精神である。
日本の金融機関では預金通帳と登録した印鑑を照合することで口座取引を可能としていた。
この仕組みを実現するため、預金通帳の表紙裏面に、登録に用いた印章の印影を転写した印鑑票(副印鑑)が貼付されていた。銀行印の登録原票は口座開設店にあり、登録印鑑の照合ができるのはその店に限られる。そこで、通帳に副印鑑を貼り付けることで、他の店でも印影の照合、そして口座取引が可能となった。
ただし、印鑑と預金通帳があれば預金を引き出すことができるため、第三者による悪用を防ぐためには印鑑に用いた印章と通帳は別々に保管することが望ましいとされた。
しかし、近年では副印鑑をスキャナで読み取って預金払戻し請求書にカラープリンタで転写し
印鑑通販たり印影から印章を偽造するなどして、登録に用いた印章を所持せず他人の口座から預金を引き出す手口が現れ被害が後を絶たないことから、副印鑑の貼付を廃止し、代えて登録原票をデジタル情報として蓄積し、いずれの本支店でも参照できるようにして、口座取引をどこでもできるようにする方法が普及しつつある。
これまで、明治国家からつづく社会意識の根っこにあるのは、お上と下々の感覚だ。横並びで、もたれ合い、自立する精神の希薄さでもある。だから何かあれば、すぐに共助を求めてきた。もちろん共助も必要だが、いつまでも官に頼ってばかりではいられない。共助は、これから更に進む少子高齢化社会を乗り切る切り札になる可能性のひめている。
明治も戦後も、国を開くきっかけをなったのは、外圧だった。今度もまた、地震・津波という外からの入力である。内向きになるのではなく、世界の中の日本を改めて確認する必要がある。